宇宙からの帰還 、立花隆著
この本の中に、地球は青かったとか、よく聞く言葉がちりばめられているんだけど、個人的に気になったのが、行く前は腐った畜生野郎だったが、行った後は畜生野郎になったことだの一文だった。これがハヤトのことを指しているようでちょっと興味深い。 彼は宇宙に行く前はちょっと腐っていた。仕事を終え、孤独に過ごし、生活を過ごすこともなく生活していた。過去の生活を夢見て、何かあったような気がするなと思いながら、クエン文書をしたためていた。それが何であったのかもよく思い出せないまま。 それが、ある日、犬が流されていることに気づいた瞬間から、犬を助け出すために奔走し、犬をどこかに引っ掛け助け出す。 そして、生活と人生は終わり、腐った畜生人生もまた終わる。
一方で、同級生は宇宙開発をしており
どのくらいの時間が経過していたのかは定かではないのだが、ハヤトとクエンが再開した後、また宇宙開発して現れた同級生の宇宙船が現れる。これがダブルミーニングになっているのではないかと、宇宙からの帰還を読んでいて思った。 実際のハヤトの肉体がどんな状態になっているのかは定かではないものの、とりあえず「行く前は腐った畜生野郎だったがいったあとは畜生野郎になった」 ハヤトと同級生だったわけだ。そこに不思議はなくそんなこともあったのだなという不可思議性はあったように思う。
宇宙に行ってみなければわからないことを解いた著であるがゆえに、原著として参考にされたのではないか?
宇宙体験における神の存在認識
神の認識だ。神の名は宗教によって違う。キリスト教、イスラム教、仏教、神道、みんな違う神の名を当てる。しかし、その名前がどうあれ、それが指し示している、ある同一の至高の存在がある。それが存在するということだ。宗教はすべて人間が作った。だから神に違う名前が付けられた。名前は違うが、対象は同じなのだ。
これをクエンとどうとらえるべきなのだろうか?名前のない神くえん。
彼女もまた宇宙の神の一人であり、何らかの宗教の神であったはぐれ神の一つであったように思うが、結局何ものであったのか、最後まで分からなかった。 だが、最後に神と子をなし、契約を交わした末に、あの箱の中から出ることができた二人は、神と人間の合いの子として同じ時を歩むのだろうか? すべての神とその子供に祝福をもたらすという意味があったのだろう。神と人間の時間が一体でなかったとしても祝福される物語が、4光年で合体という物語なのである。